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スタジオエル スタッフ日記

スタッフが仕事・趣味問わず書く日記です  (記事の内容はスタッフ個人の見解であり、会社の公式見解ではありません)

SSSSグリッドマンがメチャクチャ面白い!!(菊地)

(菊地個人の感想です)
今4話まで放映されてるSSSS.GRIDMANが本当に面白くて、これは10年代を代表する傑作のひとつになる事は間違いないだろうと思い
ちょいと駄文を書かせて頂きます。(勢いで書いてるので問題のある表現が多々あると思われます)

なんというか余りに語る部分の多い傑作で何から触れれば良いのか分からないですが、とりあえずアクションが最高です。
アニメ好きな人なら、トリガー作品なんだから作画が良いのは当然じゃねって思われるでしょうが
単に動きが良いとかではなく特撮再現の上手さが最高なのです
グリッドマンが着地して地面の破片が大量に舞う平成ウルトラマンそっくりのシーンや
敵のアンチくんが巨大化変身するシーンのレイアウトや動きの戦隊もの怪人が巨大化するシーンそっくりの作りや
グリッドマンのジャンプチョップという特撮アクション丸出しの動きといい本当に最高です

もともとトリガーはガイナから分離派生したようなスタジオだったと思うのですが、ガイナックスもこういった特撮映像的な絵作りを得意としていたはずで
90年代黄金期のガイナックスアニメが復活したような興奮をオッサンオタは感じる訳です
それのみならず明らかに勇者シリーズのようなメカアクションや構図が多用されており、90年代のサンライズロボアニメとガイナックスの良い部分が合わさっているような夢のクオリティで最強に見えます

四話ではっすさんがジャーク何とかって言ってるのでライジンオー、ゴルドラン成分も当然あるのでしょう
というかジャーク帝国か邪悪獣かジャークサタンを知ってるはっすさんもダイナのレギュラン星人アイコンのアカネちゃんと同じく普通の現代女子高生ではないような・・・w(単にスパロボ好きの可能性もあるけど)

こう書くとマニア向けネタ作画ばかりの作品かとも思われるでしょうがそうではないです。ドラマ性も優れています
グリッドマンと主人公の裕太君を軸として二人のヒロイン、六花さんとアカネちゃんを対比させる一風変わった作りのドラマで、一見直球な巨大ヒーローもののようで、実は消える分身魔球のような作品だと見ています
それゆえに直球ヒーローもの好きの人には物足りない部分もあるようですが(必然的に主人公の心理描写が薄くなるので)。
おそらく1クール全体で「一つのヒーローものの事件」として完成するSF作品のような形なんだろうと思います。
非常に巧緻な作りでそれに詳しく触れると膨大な文になるのでそれはまたの機会に!

本当に駄文ですいません。でも多分また書きます









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  1. 2018/11/01(木) 11:12:40|
  2. 感想

SHIROBAKO 21・22話を見た偏った感想(作監・菊地)

まあ、平岡最高だな、っていうだけの感想なんですが・・・w
度がすぎてるってのはあっても、基本的には平岡は登場以来、制作の立場としては概ね正しい事を言ってるなと思ってたんですが、宮森さんにキレるシーンはこれまでの作中で最もカタルシスを感じるシーンでしたねw
作画の立場からすれば非常に困る事ですがw、制作側の事情にも配慮しなくてはいけない。
原画の手配は制作の力じゃどうしようもない面も大きいし、大量のリテイクは物理的な距離の面からコストが大きい事もある
(エクソダスからのグロス班を維持できなかったというのは、人手不足で原画マンの確保が難しい時期とも推測出来ます)

基本的にアニメは複数の作業場での直接的な関係性の薄い人達による集団作業なんで、そもそも総合的かつ厳密に見れる人間はいないんですね
作中では平岡が特別悪い?ように描かれてますが、作監、動検、仕上げ、の人達もそれぞれセクションのエゴ、事情を言ってるだけで基本的には平岡と変わらない
見る視点の違いに過ぎないですね(状況や関わり方によりムサニ関係の人達も過去に平岡を苦しめた人間と同様の位置になってる事がこの業界ならあるはず)
各セクションの個別の作業者には全体で起きてることが見えない。部分しか見えてない人間の善悪の判断が正しい事はそうそう無いです。

もちろん全く彼の言う通りにやられたら僕も困るし怒ると思う。しかし僕ら作画側の事情を押し出せば制作側がどれだけ苦しむかも分かるしその事を考えないで作業は進められない。
クオリティを人質にすんじゃねえってのは本当にその通りですね

他の制作さんは耐えてるのだから平岡が悪いように見えるのでしょうが、彼は確かに他の制作さんより弱い。
しかしアニメ業界のような厳しい環境で相対的に弱いという事が、そのまま悪だとは考え難いですね。
どちらかと言うと悪は理想を追求する側にあると思います。
より良いものを作ろうとするほど他人に様々な面で対価の無い犠牲を強要するのがアニメの作業であり、その中に悪がある事を自覚しないのは恐ろしい事なのですから

(作品を見た素直な感情に理屈付けをしようとしたらグダグダして何やら上手くまとまらなかったけど、まぁ仕方ない・・・)
SHIROBAKO 21・22話を見た偏った感想(作監・菊地)
  1. 2015/03/15(日) 06:13:14|
  2. 感想
  3. | コメント:0

#SHIROBAKO 五話を見た軽い感想(作監・菊地)

非常に良い話だったので、ちょっと3・4話を飛ばしてSHIROBAKO五話の感想です(^_^;)
タイトルを見て、タロー君が宮森さんの怒りの鉄槌を食らう話かと思いましたが、まさかの展開で驚きましたw。
この回のタロー君の対応は極悪ですw。これは間違いない。
しかし遠藤さんの対応は、それ以上にかなり問題があります

まず監督が出来上がった3DCGにOKを出してるのに、それを勝手に否定するというのが通常ありえません。先に上がってチェックを通ったものを勝手に否定するということは普通は無いのです。
次に抗議をするのに、口頭で制作に伝言させると言うのがありえません。個人的にはこれほど微妙な事情を口頭で伝えようとした事が最も問題行動だと思いました
権限の上で上位の人間や、他の部署に複雑な事情を伝え動いてもらう場合、こちらの意見を通してもらう場合は、必ず文章でなぜそれが必要か論理的に説明し説得する義務があります。

制作さんは各作業の専門性を持って無いので、それぞれの部署の考える事を根本的には理解できません。
専門性の高い事を、制作さんの理解力、調整能力に期待する事に無理があるのです。制作さんが他の部署の要求の意味を正しく説明出来てない事は実は頻繁にあります。
なので作画なら、作画の専門性を理解する人間が、相手に分かるように文章にまとめ提出する必要があるのです。
それにCGさんが同じ社内にいるなら、まず直接話し合うべきです。この作品内の会社なら監督にかけあうことも出来ます
遠藤さんは作画監督として、そうした正しい手順の抗議をせずに理解力を持たない制作に文句を言うだけで状況を投げています。これは非常に拙いです。
また抗議の結果、どういう意見でまとまったのか制作さんに確認を取らずに作業に入るというのも通常は絶対に無いです。
必ずどういう合意が出来たか確認を取ります。
アニメの作業において我侭を通し、より大きい権限を行使したいなら、自らより積極的に動いてコミュニケーションをとり、責任を果たす義務があるのです(そうしても要求が通るとは限らない博打ではありますが)

それとレイアウトは作監の方がCGより上位の権限のはずなので、めんどくさい人間になれば遠藤さんはCGアニメーションの動きに対して権限を行使することも出来るはずです。
自分が通したレイアウトの意図をCGが反映出来てないというリテイクなら権限上正当ですし、社内のCGさんなら逃げられないでしょう


あと、個人的な経験としては、CG合わせのエフェクト作業はちゃんとやると凄まじく大変なんで(海外動画がその手順を理解してくれないので通常より多量の作画参考が必要になります)、CGで作画と変わらない絵が出来るならCGに任せるにこした事は無いと思ってるんですが
実際には、本来CGのはずの部分すら、やっぱり作画でやらなくてはならなくなったという、このシロバコ五話とは真逆のパターンの恐ろしい要求があったりするので、作画が不要になる事はないのではと考えてます。
「時間をかければ作画と同じものが出来る」は、様々な面でCGが作画より生産性が高いか、という事とは全く別なんですよね・・・(-_-;)




  1. 2014/11/07(金) 08:26:32|
  2. 感想

SHIROBAKO2話を見た感想(作監・菊地)

シロバコ、やっぱりホラーアニメじゃないッスか~(; ゚ ロ゚)
SHIROBAKO2話を見ましたがこれは作監、動検からするとホラー以外の何物でもない話ですねw
別に宮森さんが具現化系能力を発揮したからホラーとかではなく、オールラッシュのリテイク出しが終わった後に原画から大幅リテイクというのは通常ありえない事なのです。(少なくとも僕が動検や作監時に経験した事はない)
監督が、ダビング時に作画から全部直すって言い出したシーンで僕はリアルに、アイエエエエエΣΣ(゚д゚lll)ってなりましたからね
本当に演出の山田さんが全面的に正義ですよwもう実は三話まで見てますが、山田さんはあらゆる面で正しい演出さんだと思いますね。原画新作の大幅リテイクなのに、ちょっと変えるだけとか、演出変更を認めない監督マジ汚いw
しかし、それに対して演出さんとは逆に何で作監陣はあんなに冷静でいられるのか・・・(-∀-`; )
状況的に本来なら、ヘルプとはいえ遠藤がリテイク対応を迫られる作監の立場なんだから
何とか表情修正で済まないかとか、具体的に何をどこまでどう変えるのかとか、交渉しないといけないと思うんですけど・・・
この男は随所に責任感の無さが滲み出てますね

それにリテイク動画はその話数の動検が対応するはずなので(そうしないとモラルハザードになりやすいから)リテイク対応可能か宮森さんは作監・動検に確認してから可否の判断をしないといけないはずだし・・・というか作画スタッフの居ないダビングスタジオでは嘘でも良いから出来ないって言えばいいのに、って思いましたねw
ナベPが宮森さんに振ったのは無責任な無茶振りではなく、一番の回しの当事者である宮森さん自身に判断権限を渡したのだから拒否しても良かったはずなんですよね

まあ・・・リテイクを出すタイミングの拙さを除けば、声に表情が合って無いから修正するという事はよくあるリテイクではあります。この手のリテイクは演出や監督より作監の方が出す傾向があるような気がしますね。
実際のりテイク作業では演出、監督の方が無茶を避け、確実にV編に間に合うリテイクの出し方をすると思います
実作業で実力をもって責任を果たせる人間の方が、より権限を行使したがるって事ですね(;´・ω・`)
(また作画作業じゃ原画チェックより前にアフレコが終わってる事の方が多いので、ラッシュより前に、アフレコ音声を携帯やタブレットにぶっこんで声優さんの演技を聴きながら原画を直したりします。作監の僕が描いたレイアウトのAR用レイアウト撮でも音響監督が意図を汲んでくれるとは限りません。作画側が音響監督の演技指導の意図に合わせるのが確実なのです。そういう意味ではシロバコ2話は極めてリアルです)

また、リテイク出しのタイミングを除けば監督の言うことが間違いではなく全く正しくて、1カットの芝居をどうすべきかってのは物語全体から規定されなくちゃいけないってのは本当にそうです
コンテを読み込んで話やそのテーマをどう解釈するか考えてやらないとおかしくなるんですよね(僕がそれを常にちゃんと出来てるとは絶対に言いません(-_-;))
それで、実際のアニメの作画作業であんなに綿密な議論を演出サイドとするかというと、ほとんど無いです(,,-`ω´-)。なので大半は自主的な考察になります。国語のテストの世界です
その話数の物語のテーマは何か、どういう構造の物語なのか、そのシーンでキャラの感情が変化する理由は何か、それらを演出さんが作打ちで論理立てて教えてくれる事は滅多にありません。原画マンや作画監督は自身の国語力で細かい部分は読み解くのです。(動きは凄いけど芝居には違和感がある、というアニメーターがいる理由はこの辺にあると思います)
そう言う意味でリテイクのタイミングを除けば、このシロバコの監督は凄い良い人とも言えます。重要カットでもあんなに熱心に説明する演出さんはそうは居ません。すばらしい指導です。
ただそれでも・・・やっぱり基本的には演打ち、最悪でもレイアウトチェック前には言ってほしいですけどねw

(あと、あの状況下でそういう原画作業を振られて引き受ける井口さんマジパねえッスw。抽象的なリテイクの重要カットを一発原画で明日の朝までとか、並みの作監クラスじゃクソ原画出すか精神的に潰れますよw)
  1. 2014/10/27(月) 05:43:33|
  2. 感想

SHIROBAKO一話を見た感想(作監・菊地)

業界人の間で話題になってる?SHIROBAKOというアニメを見たんですが・・・(;´д`)
事前に想像してたほど恐ろしい内容ではなく、身近な世界のコメディとしてかなり楽しめました

ただ、あの制作の金髪君が責められてたシーンはちょっと違和感がありました
彼はそんなに悪くはないんじゃないかと。
何故かと言うと、演出や作画監督のレイアウトチェック作業において、レイアウトが全て自分の手元に来てるかは絶対に確認する事だからです。
SHIROBAKOの作中ではカッティングオールカラーでしたので、期間的にレイアウトの入れきりが出来てないことの確認は何度も起きていて当然であり
ラッシュチェックの日時の連絡が来た段階でレイアウトが入りきって無ければ、まずい状況である事は演出と作監は100%確実に気が付きます。これに気付かなかったとしたら、その事自体に責任があります
何故なら、チェックを出し切って無ければ演出・作監ともに自身がレイアウトチェックの締め切りを破っていると必ず自覚出来るからです
制作は一年目の新人で状況への理解が浅いです。残り1カットが上がらないだけで原画マンから強制的にカットを引き上げるべきかの判断がつかない場合もあるでしょう。相手が上手いアニメーターなら気を使うでしょうから尚更です
そうした状況に気付いているべき、業界の先輩である演出と作監が引き上げ等の指示をしなかった事は、金髪君と同じかそれ以上に問題があると言えます。
主人公の宮森さんは、あの演出と作監の二人に「なにやってんだお前ら、この期に及んで原画マン選り好みしてる場合か!?」と怒っても良いんじゃないかと思いましたね( ´△`)
あの作監と演出の言動からして、おそらくどちらかが問題のある原画マンに重要パートを割り振った、より根本的な責任もあるはずでしょうし。




  1. 2014/10/20(月) 23:14:16|
  2. 感想
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