何やら最近またアニメの作画崩壊が話題になってるようなんですが・・・
なぜ、そういった事が起きるのか、もちろんアニメ製作者としてよく考えるんです(・_・;)
大きな要因の一つとして質の良いスタッフの相対的不足があると思います。
なぜまともな人員が不足するのかと言えば、良いアニメーターが減ってるからではなく
単純に作品数が増えるから相対的に不足するのです
ぶっちゃけアニメ作品数が増加するほど作画崩壊の確立は上昇すると思います(^_^;)
なぜなら作品数の増加に合わせ、まともなアニメーター、アニメスタッフを増やすのは不可能だからです
貨幣の資本より雇用、労働の人的資本の方が硬直性が高いというアレです
金だけ増やしても突然に良質なアニメを大量生産は出来ない
というか、むしろ資本投下が増えて大量生産するほど短期では作品平均のスタッフの質は下がるということですね
しかしなぜ作品数が増えるかと言えばアニメ製作という投資で十分なリターンが見込める予測が増えるからです
名目利益が上昇しない予測が強いなら生産は増えません(MM信者並感)
つまり好景気だから作品数は増え、スタッフが不足し、作画崩壊は起きると言うことです
昔の不動産バブルの時には手抜き建築が増えたという話に似てると思いますw
作品数が増えアニメーター需要が超過してる時は手抜きをするアニメーターも切りにくいどころか使わざるをえなくなります
これは作らせる側、見る側には不幸な事ですがアニメーター個人には有利な状況です
質を落として仕事を増やしても強気に出られるわけなので。(僕の作監の立場ではちょっと苦しい話ですが(・_・;))
需給バランスが変化するとき出資者、生産者、消費者の利害は一致しないのです
こうした事態を回避するにはどうすれば良いのか?
これも単純で、需要増加に合わせてより良い待遇、単価でスタッフを確保すれば良いだけです(#^.^#)
当然それにはコストが多くかかります。そうすれば資本の生産性は落ち作品数増加にはブレーキがかかるでしょう。
つまりそれにより無理な作品数の増加は起きなくなり作画崩壊の危険は下がります
つまり景気回復はきっかけとしての要因ですが、より本質的にはアニメ業界の人間がこうしたアニメーターの労働市場の変化のようなものを考えずに
単価を需給に合わせて変えず硬直的に扱っている事が作画崩壊の起きる原因ではないかと思います(-_-)
作画崩壊は需要増加に合わせ単価を上げるべき、もしくは作品数を抑制すべき、という市場のシグナルとも言えます
アニメーターの実質的な価値は需給に合わせて変化し硬直的ではない事を、見えやすい労働市場が存在せず意識できないために、出資者側の予測が現実から離れた狂ったものとなり作画崩壊の悲劇は起きるのだと推測します(~_~;)
(じゃあ現実的にどうすればそれが可能な仕組みを作れるかって聞かれても製作側の細かい仕組みを知らないんで答えようが無いですがねw設定や単価をネットで公表すれば作品の労働生産性が分かり市場機能になりますが、好まれる方法とも思えないですしw)
終わり\(゜ロ\)(/ロ゜)/